轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
どうひょう
道標
宮本 百合子
第一部「展望」筑摩書房、1947(昭和22)年10月号~1948(昭和23)年8月号<br> 第二部「展望」筑摩書房、1948(昭和23)年9月号~1949(昭和24)年5月号<br> 第三部「展望」筑摩書房、1949(昭和24)年10月号~1950(昭和25)年2月号、1950(昭和25)年4月~12月号<br> 資料「展望」筑摩書房、1949(昭和24)年8、9月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 846,457 字 · 1672 页
ノヴァミルスキーは、バスの声を一層低いバスにして、
「あなたの御親切に期待しなければならないところです。われわれは彼に仕事を与えることは出来ます。しかし残念ながら宿の世話は困難です。――彼はモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)へ来るまでの金をもっていたので、目下のところ宿のために支出することができないんです」
「そうなの? 蒲原さん」
「小遣いぐらいは何とかなるんですが……」
ノヴァミルスキーは、
「そういう次第なんです」
おおきくうなずいて、伸子の眼を見た。その灰色の眼をじっと見かえしながら、伸子は、ひとこと、ひとこと考えてみながら云った。
「御存じのとおり、モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)では外国人に個人の室をかさないことになっているから、わたしは、彼をどう落付けていいのかわかりません」
「――さてね――」
そのことは、ついノヴァミルスキーの念頭にもなかった風だった。
「全然知っていないひとをつれてゆくのなら、ヨシミさんに、電話しなければよくないでしょう」
「その通りです!」
素子は、案外あっさり蒲原順二がホテル・パッサージへ来ることを承知した。