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どうひょう
道標
宮本 百合子
第一部「展望」筑摩書房、1947(昭和22)年10月号~1948(昭和23)年8月号<br> 第二部「展望」筑摩書房、1948(昭和23)年9月号~1949(昭和24)年5月号<br> 第三部「展望」筑摩書房、1949(昭和24)年10月号~1950(昭和25)年2月号、1950(昭和25)年4月~12月号<br> 資料「展望」筑摩書房、1949(昭和24)年8、9月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 846,457 字 · 1672 页
モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)の印象記を、伸子は、自分が感じとったままの感銘と感覚であらわして行きたいと思った。伸子はいつも眼から、何かの出来事と情景から、色彩と動きと音と心情をもってモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)を感じとって来た。そのテムポ、その気ぜわしさ、一つ一つに深い理由のある感情の火花や風景。それらをみたように、あったように表現しようとすると伸子の文体はひとりでに立体的になり、印象的になり、テムポのはやい飛躍が生じた。そして断片的でもあった。
エイゼンシュタインの映画やメイエルホリドの舞台と、どこか共通したようなところのある伸子の文体は、伸子自身にとって馴れないものだった。けれども、生活の刺戟は、ひとりでに伸子にそういう様式を与え、伸子は、そうしかかけなくて書いているのだった。
伸子がモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)に生きている現実のいきさつを辿れば、モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)は伸子が印象記にかいているように伸子のそとに見えている現象だけのものではなかった。伸子は眼から自分の中へ様々のものをうけ入れ、自分というものをそれによって発掘してもいた。