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どうひょう
道標
宮本 百合子
第一部「展望」筑摩書房、1947(昭和22)年10月号~1948(昭和23)年8月号<br> 第二部「展望」筑摩書房、1948(昭和23)年9月号~1949(昭和24)年5月号<br> 第三部「展望」筑摩書房、1949(昭和24)年10月号~1950(昭和25)年2月号、1950(昭和25)年4月~12月号<br> 資料「展望」筑摩書房、1949(昭和24)年8、9月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 846,457 字 · 1672 页
北の夏は、歩いている伸子たちに汗をかかせるほどではないが、埃っぽくむっとした街路のいきれが、彼女たちの靴を白くした。
白麻のブラウスに、学生っぽいジャンパア・スカートをつけて訪ねて行ったさきざきで、伸子たちは、モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)で知らなかった発見をしたのだった。モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)でも、伸子たちは随分いろんなところを見学した。とくに伸子は素子の倍ほども足で歩いて目で見て歩く仕事をしたのであったが、モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)ではどこへ行っても、そこに見出すのは、ソヴェト社会という大きな有機体の一部として不断に活動している一つのシステム、或はメカニズムだった。最新式の厨房工場でも、伸子はそこで一日に幾千人分の食事が用意されどんなスティーム鍋がつかわれているかということを見た。そして、その工場はどういう各部の担当にわかれていて、そこに文学サークルと共産党細胞と組合地区委員会がある、ということを、長い廊下を案内されつつ理解した。また伸子は白い上っぱりと帽子をつけて大活動をしている三十人の人民栄養労働組合員も見たのであったけれども、みんなの活動があんまりきびしく組織されて居り、その活動にゆるみがなくて、伸子にふれて来るのは、一つの系統だてられた活動そのもの