轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
どうひょう
道標
宮本 百合子
第一部「展望」筑摩書房、1947(昭和22)年10月号~1948(昭和23)年8月号<br> 第二部「展望」筑摩書房、1948(昭和23)年9月号~1949(昭和24)年5月号<br> 第三部「展望」筑摩書房、1949(昭和24)年10月号~1950(昭和25)年2月号、1950(昭和25)年4月~12月号<br> 資料「展望」筑摩書房、1949(昭和24)年8、9月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 846,457 字 · 1672 页
話のきっかけがむしろそこにつかめた気持で、伸子は案外自然に口をひらくことができた。何よりも、自分には、医学上の専門のことは何もわかっていないこと。従って、伸子としては実際に見聞したソヴェト――主としてモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)の日常生活の有様を、ありのままに話して参考になればと思っているという点を明瞭にした。伸子はソヴェトの工場やそこで見た医療設備のこと、労働組合と健康保護の関係、母子健康相談所やレーニングラードの母性保護研究所の仕事、労働者、特に婦人労働者の保健のために職場で行われている一分体操や休養室の細かい注意、海岸や温泉地につくられている休みの家の様子などについて話した。座談的な伸子の話は、おさないような云いまわしながら、どの一つをとっても、それはみんな彼女が心を動かされて自分の眼で見て来ているものであり、ソヴェト生活の現実から生々しくきりとられて来た、誰にもわかる報告なのであった。
話がすすみ、まざまざとした印象がよみがえって描写されてゆくにつれて、伸子は心の自由をとりもどした。話している伸子にも聴きての感興が集中されてゆくのが感じとられる刹那もあった。