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どうひょう

道標

宮本 百合子

第一部「展望」筑摩書房、1947(昭和22)年10月号~1948(昭和23)年8月号<br> 第二部「展望」筑摩書房、1948(昭和23)年9月号~1949(昭和24)年5月号<br> 第三部「展望」筑摩書房、1949(昭和24)年10月号~1950(昭和25)年2月号、1950(昭和25)年4月~12月号<br> 資料「展望」筑摩書房、1949(昭和24)年8、9月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 846,457 字 · 1672 页

青空文庫

伸子がそう感じるということが、とりもなおさず、ルナチャルスキーが排除しなければならないものと云っている、そして森久雄がこの雑誌の論文に引用している「あらゆる芸術的条件性及び洗煉性」だと云うのだろうか。伸子自身は、「洗煉性」の中で腐ってゆく文学に反抗しつづけて来ている自分として感じているのではあったが。――

二冊の「戦旗」の記事には伸子にわかるところと、わからないところがあった。全日本無産者芸術連盟は略称をナップNAPFと云っていた。その常任委員会の名で「論争の方法に関する意見書」というものが「戦旗」にのっていた。その文章は、伸子をひそかにおどろかすのだった。云われている意味は、議論のための議論にとらわれてしまうのは間違っている、という尤もな、わかりやすいことらしかった。そのわかりやすいことをいうのに、この意見書の云いまわしはその趣意とは正反対に、口のはたがこわばっている人がいう言葉のようにぎごちなくて、大がかりに理窟っぽい言葉をひきずりまわしている文章だった。それでも、マルクシストであるこの人々が、こういう文章をかくのは正しくて、悪文というのは間違いなのだろうか。