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どうひょう
道標
宮本 百合子
第一部「展望」筑摩書房、1947(昭和22)年10月号~1948(昭和23)年8月号<br> 第二部「展望」筑摩書房、1948(昭和23)年9月号~1949(昭和24)年5月号<br> 第三部「展望」筑摩書房、1949(昭和24)年10月号~1950(昭和25)年2月号、1950(昭和25)年4月~12月号<br> 資料「展望」筑摩書房、1949(昭和24)年8、9月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 846,457 字 · 1672 页
フランス共産党ばかりでなく各国の共産党が、南京政府に対して抗議していることを、伸子はこまかい本文はよめない「リュマニテ」の見出しで理解するのだった。パリにいる中国青年の抵抗は、中国解放を殺している二つの勢力に向けられているわけで、その一方に、南京政府があった。他の一方に、中国を植民地としている帝国主義の国々の一つとしての日本があるのだった。
伸子は、その夕方、和一郎、小枝、つや子を自分たちに加えた五人づれで、気持よく爽やかな日暮れ前のリュクサンブール公園のなかを歩き、ソルボンヌ大学附近やこの公園の中では特にゆき合うことの多い中国青年たちが、素子と伸子二人のときより、あらわな侮蔑を示して通りすぎるのに心づいた。伸子は、それをつらく感じ、また当然と感じ、彼らに同感もするのだった。小枝の、自分というものさえはっきりつかんでいない優美さ。どこから見ても、人生の何かのためにたたかっているものとは見えない和一郎の、おっとりしたものごし。そこにまざって、歩いている伸子や素子が、モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)から来ていて、社会主義の社会について何かを知り、解放の意味の何かを実感していて、パリの中国青年たちは知らないどっさりのけなげな中国の娘たちを、孫逸仙大学の留学生として見知っているというようなことは、彼ら