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さこく
鎖国
和辻 哲郎
日本の悲劇
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 443,306 字 · 875 页
そうしてこの有名な瘴癘の地に一五〇三年の四月末までまごついていた。しかし西への出口はどうしても見つからず、遂に北航して暴風に逢い、六月二十五日にジャマイカの岸にのりあげた。ここで助けを待っている間に、一五〇四年二月二十九日、月蝕の予言で土人の害を免れたのである。その後なお救出される迄に半年かかり、散々の態で十一月初めに帰国したのであったが、運悪く彼の庇護者イサベラ女王もその数週間後に歿し、王はもはや彼に取り合わなくなった。かくしてコロンブスは極度の失意の内に、一五〇六年五月、バリャドリードに於て歿したのである。
他方アメリゴも一五〇三―四年の第四回航海は失敗であった。でポルトガルを去ってスペインに帰った。一五〇五年二月にコロンブスに会った時には、コロンブスは大変いい印象を受けたらしい。ヴェスプッチもまたその功績を正当に報いられない人であると彼は書き残している。しかしヴェスプッチは間もなくスペインに職を奉じ、一五〇八年より年俸二百デュカットの帝国パイロットに任命された。そうしてパイロットの資格試験をやったり、地図を書いたりなどした。歿したのは一五一二年であるが、コロンブスと異なり、生前既に過分の名誉に恵まれた。