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さこく
鎖国
和辻 哲郎
日本の悲劇
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 443,306 字 · 875 页
と早速トルレスに書き送っている。そうして熱心にトルレスの島原訪問をすすめ、「もし貴下が八日間この地に留まられるならば、この町がこれまで滞在せられたどの地方よりも優っていることを認められるであろう」とさえも云った。それほど島原での二日間はフロイスにとって印象が深かったのである。
それから二人は高瀬を経て豊後に行き、臼杵丹生島に大友宗麟を訪ねた。その後府内に帰り、船の談判をして出発しようとしたが、風の都合で一カ月待たされ、遂にクリスマスを府内で祝うことになった。いよいよ豊後を出発し得たのは一五六五年の一月一日で、堺に着いたのは一月二十七日であった。途中の航海は相当苦しく、特に寒さが烈しかったので、ダルメイダは病気になり、堺の富豪日比屋の邸宅で寝ついてしまった。
フロイスは五人の信者と共に翌日直ちに京都に向って出発した。(五人の内の一人は多分ダミヤンであろう。)その夜は本願寺の門前町大坂に泊ったのであるが、当時大坂はすでにコチンの町よりは大きかったといわれている。フロイスはまだこの地の領主「妻帯せる坊主」が宣教師にとっての最大の敵であることを知らなかったので、この夜はのんきにして、同船した異教徒の泊った家に行き、款待を受けていたのであるが、夜半過ぎに火事が起って、本願寺を初め九百戸を焼き払うという大火になった