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さこく
鎖国
和辻 哲郎
日本の悲劇
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 443,306 字 · 875 页
十月の中頃には洗礼を受けようと決心したものが五百人以上に達した。すべては順調であった。十月の末には、遂に領主が、多くの身分ある武士たちと共に、洗礼を受けるに至った。会堂の工事も、ほとんど出来上った。
ダルメイダは福田の港に行く必要があったので、代りにイルマンのサンチェズがやって来た。やがて福田の港のポルトガル船がジョアン・カブラルを乗せて去って了うと、神父ビレラもまたダルメイダの開拓したこの土地へ収穫にやって来た。彼の手で洗礼を受けた武士たちは非常に多かった。やがてビレラは去ったが、サンチェズは一五六七年を通じてこの地に残り、附近のフクロや梅島に布教すると共に、志岐の会堂の増築や信者の固めに尽力した。
こうして天草の志岐は、初めのうち非常に調子が好かった。で、一五六八年の初めに、老年のトルレスが口の津から志岐に赴いた。イルマン・バスを先発させて準備した上、志岐の有力な武士たちの迎えの船で、盛大な歓迎のうちに志岐に乗り込んだのである。そうしてここで四旬節や復活祭を営んで夏になると、シナからの船が神父アレッサンドロ・バラレッジョを福田の港へ運んで来た。