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はいいろのきょじん
灰色の巨人/魔法博士
江戸川 乱歩
線上閱讀江戸川 乱歩《灰色の巨人/魔法博士(はいいろのきょじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 156,085 字 · 312 頁
うのやみの中へ、姿を消してしまいました。
あのよっぱらいと、小さなかげぼうしとは、なかまだったのでしょうか。かげぼうしが自動車の下にもぐりこんで、なにかやるあいだ、見はりの男の注意を、そらしておくために、よっぱらいのまねをして、けんかを、ふっかけたのではないでしょうか。もしそうだとすると、あのよっぱらいとかげぼうしは、いったい、なにものだったのでしょう。
それはともかく、いっぽう、園井さんは、やくそくの八時になると、「にじの宝冠」を、明智のおいていった黒ぬりの箱にいれて、それをこわきにかかえて、門の前から、東へ百メートルほど歩いていきますと、そこに、ヘッドライトを消した自動車がとまっていました。それは、さっき、よっぱらいが、けんかをした、すこしあとのことです。
園井さんが自動車に近づくと、ヘッドライトが、パッパッと、二―三度、ついたり、消えたりしました。これが灰色の巨人の車だという、あいずでした。
そして、自動車のドアが、スーッと開き、中にいた男が手を出して、園井さんを引っぱりこむようにしました。いまさら逃げるわけにもいきませんので、引かれるままに中へはいりますと、ドアがしまり自動車は走りだしました。