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はいいろのきょじん
灰色の巨人/魔法博士
江戸川 乱歩
線上閱讀江戸川 乱歩《灰色の巨人/魔法博士(はいいろのきょじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 156,085 字 · 312 頁
巨人ついせき
巨人ついせき
一寸法師のさわぎで、主人も支配人も、うちの人がみんな店へ集まってきました。
あぶない、あぶない、これは怪盗の、れいの手かもしれません。どこからか一寸法師を、やとってきて、店でこんなおしばいをさせて、みんながそれに気をとられているすきに、なにかやろうというのではないでしょうか。
そのとき、大賞堂のおくのほうの物置部屋の板戸が、ソーッとひらいていました。そして、その中から、若い女があらわれました。みんな店のほうへいって、そのへんには、だれもおりません。この女は、二―三日前に、明智小五郎がきて、主人と話していたとき、ドアのそとで立聞きした女中です。
物置部屋から出てきたその女中は、古新聞でくるんだものを、ブラウスの下にかくして、ぬき足をして、そっと勝手口のほうへ歩いていきました。そして、そこでくつをはくと、そのまま裏通りへ出ていくのです。ブラウスの下にかくした新聞づつみの中には、いうまでもなく、たくさんの宝石類がはいっているのです。
女中が、裏通りへ出たときに、その町を、ゆっくりすすんでいく、一台のからのタクシーがありました。女中は、いそいでタクシーをよびとめると、あたりを見まわしながら、それにのりこんでしまいました。