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はいいろのきょじん
灰色の巨人/魔法博士
江戸川 乱歩
線上閱讀江戸川 乱歩《灰色の巨人/魔法博士(はいいろのきょじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 156,085 字 · 312 頁
名犬シャーロック
そこで、園井さんは「にじの宝冠」を、金庫から取り出してきて、テーブルの上におきました。明智は、やっぱりくずかごの中から、まるめた画用紙をとりだし、それをひろげて、えんぴつで写生を、はじめました。二十分ほどで、うつしおわると、テーブルの上の、からの箱だけをのこして、にせものの王冠は、もうひとつの箱に入れて、写生した画用紙といっしょに、くずかごの紙くずのなかにかくしました。
「では、十一日には、賊の手紙に書いてあったとおりにしてください。あとは、きっとぼくがひきうけますから、ご心配なく。」
と、ねんをおして、くずやは、かごをかついで、そのまま帰っていきました。
さて、名探偵の二つの手品は、いったい、どんなふうにして、おこなわれるのでしょうか。そして、それは灰色の巨人の怪物団を、うまくごまかすことができるのでしょうか。
名犬シャーロック
いよいよ十一日の夜になりました。やくそくの八時すこし前に、園井さんのやしきの百メートルほど東の町かどに、一台の自動車が、ヘッドライトを消してとまっていました。運転手のほかに、うしろのせきにも、ひとりの男が乗っていました。
自動車から三十メートルほどはなれた電柱のかげに、ひとりの男がかくれるようにして、キョロキョロあたりを見まわしていました。