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はいいろのきょじん

灰色の巨人/魔法博士

江戸川 乱歩

線上閱讀江戸川 乱歩《灰色の巨人/魔法博士(はいいろのきょじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 156,085 字 · 312 頁

青空文庫

怪人のさいご

怪人のさいご

ヘリコプターの操縦席では、怪老人と操縦士が、笑いながら話しあっていました。

「ワハハ、……警察のやつらの、くやしがっているのが、豆つぶのように見えるぞ。ざまを見ろ。ワハハハ……。明智探偵のやつ、灰色の巨人の秘密を、さぐりだしたのはいいが、おれをつかまえることができなかったじゃないか。さすがの名探偵さんも、ヘリコプターとは、気がつかなかったらしいね。」

怪老人がいいますと、部下の操縦士も笑いだして、

「空中に逃げるのは、首領のくせですからね。いつかは、デパートの屋上から、アドバルーンで、品川おきへ逃げだしたし、こんどはヘリコプターです。そこへ気がつかないとは、よっぽど、ぼんくら探偵ですよ。……しかし、ねえ、首領、あのたくさんの宝石を、のこしてきたのは、ざんねんです。首領がながいあいだに、ためこんだ宝石が、みんな警察にとりあげられるじゃありませんか。」

操縦士は、三十五―六歳のすばしっこそうな男でした。かわの飛行服をきて、飛行めがねをかけ、その下から黒いチョビひげが見えていました。怪老人に、いちばん信用されている長野という部下です。

「うん、それはざんねんだが、宝石まで持ってにげる、よゆうがなかった。