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はいいろのきょじん
灰色の巨人/魔法博士
江戸川 乱歩
線上閱讀江戸川 乱歩《灰色の巨人/魔法博士(はいいろのきょじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 156,085 字 · 312 頁
「ところで、あなたが賊の自動車に乗っておられたあいだは、どれほどだったでしょうか。」
とたずねるのでした。
「さあ、はっきりはわかりませんが、一時間はかかっていませんよ。五十分ぐらいでしょうか。」
それを聞くと、明智はまた、頭の毛に指をつっこみました。
「やっぱりそうだ。黒い糸が切れたのと、賊の自動車がとまったのと、ほとんどどうじだったのですよ。すると、やっぱり、横浜から二十分ぐらいむこうの、森のように木のしげった、あの丘があやしい。どうやら、あそこに賊のほんきょがあるらしい。」
「しかし、そんな丘の上に、あんな大きな、コンクリートのたてものがあるのでしょうか。」
園井さんが、いぶかしそうにいいました。
「いや、そこがおもしろいところですよ。灰色の巨人というやつは、いつでも、じつにきばつなことを考えます。その大きなたてものの秘密は、ぼくには、だいたいわかったように思われます。きっとそうです。じつに奇想天外です。あいつは、まるで魔術師みたいなやつです。園井さん、ご安心ください。『にじの宝冠』は、かならず、とりかえしてみせます。ぼくにはもう、賊のすみかがわかったのですからね。