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はいいろのきょじん
灰色の巨人/魔法博士
江戸川 乱歩
線上閱讀江戸川 乱歩《灰色の巨人/魔法博士(はいいろのきょじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 156,085 字 · 312 頁
支配人さんとあなただけで、店員たちには、気づかれないようになさるほうがいいでしょう。」
明智はそういいながら、つと立ちあがって、足音をたてぬようにして、入口のドアのところへいって、そこにしばらく立っていましたが、やがて、そっとドアをひらいて、外の廊下をのぞいたかとおもうと、すぐにドアをしめて、もとの席に帰りました。そして、声をひくくして、
「さっき、ここへ、お茶を持ってきた女中さんがありますね。あの子はいつごろからいるのですか。」
とたずねました。
「あれは、ごく近ごろ、やといいれたものです。しかし、たしかな人のせわでいれたのですから、べつに心配はないと思いますが、あの子になにか……。」
「いや、いいのです。いいのです。」
明智は、そこで、主人のそばへ顔を近づけて、その耳に、なにかぼそぼそと、ささやきました。
「えっ、それじゃあ、あの話を……。」
「そうです。わたしが今いったとおりになされば、きっと、うまくいきます。むろん、わたしも、この小林君も、じゅうぶん注意して、お店を見はるつもりですからね。」
それから、その席へ年とった支配人もよびよせて、しばらく、いろいろな話をしたあとで、明智探偵と小林少年は、待たせてあった自動車にのって帰っていきました。