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はいいろのきょじん
灰色の巨人/魔法博士
江戸川 乱歩
線上閱讀江戸川 乱歩《灰色の巨人/魔法博士(はいいろのきょじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 156,085 字 · 312 頁
それから三十分ほどのち、女中ののった自動車は、白鬚橋をわたって、隅田公園のやみのなかに止まりました。女中はそこでおりて、まっ暗な立木のあいだへ、はいっていきます。
そのとき、女中がおりたあとの自動車に、ふしぎなことがおこりました。車のうしろの荷物をいれるトランクのふたが、そっとひらいて、その中から、ひとりの少年がはい出してきたのです。少年は運転手のところへいって、なにか、ひとこと、ふたこと、ささやくと、そのまま女中のあとを追いました。
その少年こそ、明智探偵の名助手の小林君なのです。小林少年は、明智先生のめいれいによって、知りあいのタクシーの運転手にたのんで、その後部のトランクに身をひそめたのです。そして、そのタクシーは、大賞堂の裏どおりを、しずかに行ったりきたりして、女中がよびとめるのを待っていたわけなのです。
明智探偵は、女中が物置部屋から、新聞づつみの宝石をぬすみ出すことを、ちゃんと見ぬいていました。それで、小林少年に、そのあとをつけさせて、灰色の巨人のすみかを知ろうとしたのです。
女中は、まっ暗な立木のあいだを、どんどん歩いていきます。