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はいいろのきょじん
灰色の巨人/魔法博士
江戸川 乱歩
線上閱讀江戸川 乱歩《灰色の巨人/魔法博士(はいいろのきょじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 156,085 字 · 312 頁
小林君はギョッとして、やみの中に、立ちすくんでしまいました。あいては、そんな大きな怪物ですから、足もはやいでしょう。にげ出したって、すぐにおいつかれてしまいます。もうかくごをきめるほかはありません。
小林君は、ぐっと下腹に力をいれて、木のかげからあらわれ、だいたんに、大男のほうへ、すすんでいきました。
「あははは……、とうとう、あらわれたな。きさま、明智小五郎の助手の小林だろう。タクシーのトランクに、かくれていたのか。おおかた、そんなことだろうとおもっていた。きみはこの新聞づつみがかえしてほしいのだろう。だが、このおれと、ちんぴらのきみとじゃ、勝負にならない。これをとりかえすことは、すっぱりあきらめるんだな。はははは……、きみはかわいい子だ。おれがかわいがってやるから、まあ、こっちへくるがいい。」
大男はニューッと、大きな手をのばして、小林君の服のえりをつかみ、まるでネコでもぶらさげるように小林君をぶらさげて、のしのし歩きだしました。ざんねんながら、こんな巨人にかかっては、もうどうすることもできません。
大男はそうして、隅田川のほうへおりていきました。