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はいいろのきょじん

灰色の巨人/魔法博士

江戸川 乱歩

線上閱讀江戸川 乱歩《灰色の巨人/魔法博士(はいいろのきょじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 156,085 字 · 312 頁

青空文庫

そして、いわれたとおり、懐中電灯をつけて、宝石をしらべているようすでしたが、やがて、「ちくしょう。」と、したうちをする声が聞こえてきました。

「きのどくだねえ。きみは明智先生の計略にかかったんだよ。先生は女中が立聞きしていたことをさとって、大賞堂の主人にぎゃくの手をつかわせたのさ。金庫のなかの宝石を、にせものと入れかえたようにおもわせて、じつは入れかえなかったのさ。新聞づつみの方がにせもので、ほんとうの宝石は、みんな、もとの金庫にあるんだよ。はははは……、どうだい、これでも、きみの方が勝ったといえるだろうかねえ。」

小林君は、そういって、さもここちよげに笑うのでした。

しかしこの勝負は、せっかく尾行した巨人に、にげられてしまったのですから、じつは五分五分なのです。

「ちくしょう、おぼえていろ。このしかえしは、きっとするぞ。」

大男のくやしそうな声が、エンジンの音にまじって聞こえてきました。そしてモーターボートは、隅田川のやみの中へ消えていくのでした。

大賞堂の店にあらわれた一寸法師は、いったいなにものでしょう。かれはどこからどうして、にげさることができたのでしょう。