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はいいろのきょじん
灰色の巨人/魔法博士
江戸川 乱歩
線上閱讀江戸川 乱歩《灰色の巨人/魔法博士(はいいろのきょじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 156,085 字 · 312 頁
玉は、カーテンの外の、曲芸場の砂場へ出て、そのまん中にある、大きなまるい板ばりのぶたいへ、ころがっていきました。この板ばりの上で、いつも「玉のり」が、えんじられるのです。
白と赤のだんだらぞめの大きな土の玉は、まるで、目に見えぬ人間がその上にのってでもいるように、右に左に、ゴロゴロ、ゴロゴロ、板ばりの上をころげまわりました。
少年たちは、このふしぎなおにごっこに、だんだん元気づいて、いまは、「ワーッ。ワーッ。」と、ときの声をあげながら、おばけ玉を追っかけまわすのです。
ほんとうに、おにごっこでした。玉は、逃げよう、逃げようとする。少年たちは、逃がすまいと、さきまわりをして、とおせんぼうをする。そして、とうとう、おばけ玉は、少年たちに、四方から取りかこまれ、おさえつけられて、もう動けなくなってしまいました。
すると、そのとき、じつに、とほうもないことが、おこったのです。少年たちは、「ワーッ。」とさけんで、玉のそばから、とびのきました。
ごらんなさい! 土の玉が、まっぷたつに、われたのです。そして、モモの中から桃太郎がとびだすように、その玉の中から、へんなやつがとびだしてきたのです。