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ふくおうじでん

福翁自伝

福沢 諭吉

線上閱讀福沢 諭吉《福翁自伝(ふくおうじでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 209,912 字 · 402 頁

青空文庫

江戸行を志す

ソレカラ又私は言葉を続けて、唯今御指図の通り早々帰国しますが、御隠居様に御伝言は御在ませんか、何れ帰れば御目に掛ります、又何か御品があれば何でも持て帰りますと云て、一ト先ず別れて翌朝又行て見ると、主公が家に遣る手紙を出して、之を屋敷に届けて呉れ、親仁に斯う/\伝言をして呉れと云い、又別に私の母の従弟の大橋六助と云う男に遣る手紙を渡して、これを六助の処に持て行け、爾うすると貴様の再遊に都合が宜かろうと云て、故意とその手紙に封をせずに明けて見よがしにしてあるから、何もかも委細承知して丁寧に告別して、宿に帰て封なしの手紙を開て見れば、「諭吉は母の病気に付き是非帰国と云うからその意に任せて還すが、修業勉強中の事ゆえ再遊の出来るようその方にて取計らえと云う文句。私は之を見てます/\癪に障る。「この猿松め馬鹿野郎めと独り心の中で罵り、ソレカラ山本の家にも事実は云われぬ、若し是れが顕われて奥平の不面目にもなれば、禍は却て私の身に降て来て如何な目に逢うか知れない、ソレガ怖いから唯母の病気とばかり云て暇乞をしました。

江戸行を志す丁度そのとき中津から鉄屋惣兵衛と云う商人が長崎に来て居て、幸いその男が中津に帰ると云うから、兎も角も之と同伴と約束をして置て、ソコデ私の胸算は固より中津に帰る気はない。