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ふくおうじでん

福翁自伝

福沢 諭吉

線上閱讀福沢 諭吉《福翁自伝(ふくおうじでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 209,912 字 · 402 頁

青空文庫

大阪書生の特色

私などが今日でも電気の話を聞て凡そその方角の分るのは、全くこの写本の御蔭である。誠に因縁のある珍らしい原書だから、その後度々今の黒田侯の方へ、ひょっと彼の原書はなかろうかと問合せましたが、彼方でも混雑の際であったから如何なったか見当らぬと云う。可惜い事で御在ます。

大阪書生の特色只今申したような次第で、緒方の書生は学問上の事に就ては一寸とも怠ったことはない。その時の有様を申せば、江戸に居た書生が折節大阪に来て学ぶ者はあったけれども、大阪から態々江戸に学びに行くと云うものはない。行けば則ち教えると云う方であった。左れば大阪に限て日本国中粒選のエライ書生の居よう訳けはない。又江戸に限て日本国中の鈍い書生ばかり居よう訳けもない。然るに何故ソレが違うかと云うことに就ては考えなくてはならぬ。勿論その時には私なども大阪の書生がエライ/\と自慢をして居たけれども、夫れは人物の相違ではない。江戸と大阪と自から事情が違て居る。江戸の方では開国の初とは云いながら、幕府を始め諸藩大名の屋敷と云う者があって、西洋の新技術を求むることが広く且つ急である。従て聊かでも洋書を解すことの出来る者を雇うとか、或は飜訳をさせればその返礼に金を与えるとか云うような事で、書生輩が自から生計の道に近い。