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ふくおうじでん
福翁自伝
福沢 諭吉
線上閱讀福沢 諭吉《福翁自伝(ふくおうじでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 209,912 字 · 402 頁
女尊男卑の風俗に驚
女尊男卑の風俗に驚一寸した事でも右の通りの始末で、社会上の習慣風俗は少も分らない。或る時にメールアイランドの近処にバレーフォーと云う処があって、其処に和蘭の医者が居る。和蘭人は如何しても日本人と縁が近いので、その医者が艦長の木村さんを招待したいから来て呉れないかと云うので、その医者の家に行た所が、田舎相応の流行家と見えて、中々の御馳走が出る中に、如何にも不審な事には、お内儀さんが出て来て座敷に坐り込んで頻りに客の取持をすると、御亭主が周旋奔走して居る。是れは可笑しい。丸で日本とアベコベな事をして居る。御亭主が客の相手になってお内儀さんが周旋奔走するのが当然であるに、左りとはどうも可笑しい。ソコで御馳走は何かと云うと、豚の子の丸煮が出た。是れにも胆を潰した。如何だ、マア呆返たな、丸で安達ヶ原に行たような訳けだと、斯う思うた。散々馳走を受けて、その帰りに馬に乗らないかと云う。ソレは面白い、久振りだから乗ろうと云て、その馬を借りて乗て来た。艦長木村は江戸の旗本だから、馬に乗ることは上手だ。江戸に居れば毎日馬に乗らぬことはない。夫れからその馬に乗てどん/\駆けて来ると、亜米利加人が驚いて、日本人が馬に乗ることを知て居ると云うて不思議の顔をして居る。