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ふくおうじでん
福翁自伝
福沢 諭吉
線上閱讀福沢 諭吉《福翁自伝(ふくおうじでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 209,912 字 · 402 頁
活動の始まり
こそ宜い心地だと独り心で喜び、後向て唾して颯々と足早にかけ出したのは今でも覚えて居る。
活動の始まり夫れから長崎に行て、そうして桶屋町の光永寺と云うお寺を便ったと云うのは、その時に私の藩の家老の倅で奥平壹岐と云う人はそのお寺と親類で、其処に寓居して居るのを幸いに、その人を使ってマアお寺の居候になって居るその中に、小出町に山本物次郎と云う長崎両組の地役人で砲術家があって、其処に奥平が砲術を学んで居るその縁を以て、奥平の世話で山本の家に食客に入込みました。抑も是れが私の生来活動の始まり。有らん限りの仕事を働き、何でもしない事はない。その先生が眼が悪くて書を読むことが出来ないから、私が色々な時勢論など、漢文で書いてある諸大家の書を読んで先生に聞かせる。又その家に十八、九の倅が在て独息子、余りエライ少年でない、けれども本は読まなければならぬと云うので、ソコでその倅に漢書を教えて遣らなければならぬ。是れが仕事の一つ。それから家は貧乏だけれども活計は大きい。借金もある様子で、その借金の云延し、新に借用の申込みに行き、又金談の手紙の代筆もする。其処の家に下婢が一人に下男が一人ある。