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ふくおうじでん

福翁自伝

福沢 諭吉

線上閱讀福沢 諭吉《福翁自伝(ふくおうじでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 209,912 字 · 402 頁

青空文庫

再度米国行

私は少年の時から大阪の緒方の塾に居るときも、戯に居合を抜て、随分好きであったけれども、世の中に武芸の話が流行すると同時に、居合刀はすっかり奥に仕舞い込んで、刀なんぞは生れてから挟すばかりで抜たこともなければ抜く法も知らぬと云うような風をして、唯用心に用心して夜分は決して外に出ず、凡そ文久年間から明治五、六年まで十三、四年の間と云うものは、夜分外出したことはない。その間の仕事は何だと云うと、唯著書飜訳にのみ屈託して歳月を送て居ました。

再度米国行

夫から慶応三年になって又私は亜米利加に行た。是れで三度目の外国行。慶応三年の正月二十三日に横浜を出帆して、今度の亜米利加行に就ても亦なか/\話がある。と云うのは、先年亜米利加の公使ロペルト・エーチ・プラインと云う人が来て居て、その時に幕府で軍艦を拵えなければならぬと云うことで、亜米利加の公使にその買入方を頼んで、数度に渡したその金高は八十万弗、そうして追々にその軍艦が出来て来る筈。ソレで文久三、四年の頃、富士山と云う船が一艘出来て来て、その価は四十万弗。所がその後幕府はなか/\な混雑、又亜米利加にも南北戦争と云う内乱が起たと云うような訳で、その後一向便りもない。