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はいいろのきょじん

灰色の巨人/魔法博士

江戸川 乱歩

線上閱讀江戸川 乱歩《灰色の巨人/魔法博士(はいいろのきょじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 156,085 字 · 312 頁

青空文庫

三つの電灯が、つぎつぎと消えさって、あたりは、真のやみとなったのです。

「だれだ! そこにいるのは、だれだっ!」

小林君が、叫びました。しかし、なんのてごたえもありません。やみの中に、やみよりも黒いやつが、息をころして、かくれているのです。

ノロちゃんは、井上君のからだに、しがみついていました。そして、ガタガタふるえているのです。

「ね、逃げだそうよ。はやく、はやく逃げようよ。」

しかし、おとうさんからボクシングをならって、腕におぼえのある井上君は、びくともしません。こわがるノロちゃんの肩をしっかりだいてやって、じっと、やみの中に立ちはだかっていました。

すると、またしても、ふしぎなことがおこったのです。十メートルも向こうの空中に、ぼんやりと、まるい光があらわれました。懐中電灯のような白い光ではありません。なにか色のついた、ふしぎな形のゾーッとするような光です。

三人は、おもわず、それを見つめました。

やがて、その光は、映写機のピントをあわせるように、だんだん、はっきりしてきました。

さしわたし一メートルもあるような、恐ろしく大きな魚の形です。ぜんたいが白っぽくて、そのまんなかに、丸い茶色のものがあり、その中心に、小さな丸い穴があって、そこから、強い光が、チカッ、チカッと、こちらへとびだしてくるのです。