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はいいろのきょじん

灰色の巨人/魔法博士

江戸川 乱歩

線上閱讀江戸川 乱歩《灰色の巨人/魔法博士(はいいろのきょじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 156,085 字 · 312 頁

青空文庫

足が見えました。ひとかかえもある大木のような、太い足です。それが、ズシン、ズシンと、地ひびきをたてて、近づいてくるのです。

「あっ、ゾウだっ!」

小林君が、おもわず叫びました。それはゾウでした。巨大なゾウが、コンクリートの廊下を歩いてくるのでした。さっきの恐ろしい音は、ゾウのうなり声だったのです。それにしても、こんなところにゾウがいるなんて、おもいもよらないことでした。これがほんとうのゾウでしょうか。やっぱり、魔法博士の幻術ではないのでしょうか。

「わかったかい。ゾウだよ。魔法の国には、どんな動物だっているのさ。」

怪黒人が、笑いながら、いうのでした。

しかし、巨ゾウには、ゾウ使いが、ついているのではありません。ひとりで、歩いてくるのです。足にくさりがついているわけでもありません。

三少年は、ゾウがおこって、鼻で巻きあげたり、足でふんだりするのではないかと、恐ろしくなってきました。

「だいじょうぶだよ。逃げたりしたら、かえってあぶないよ。」

ノロちゃんが、逃げだしそうになったので、小林君が、その手をとって、ひきとめました。

そのうちに、ゾウはズシン、ズシンと、もう三メートルほどに、近づいてきました。