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はいいろのきょじん
灰色の巨人/魔法博士
江戸川 乱歩
線上閱讀江戸川 乱歩《灰色の巨人/魔法博士(はいいろのきょじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 156,085 字 · 312 頁
その男の身についているものは、ソフトも、オーバーも、ズボンも、くつも、みんな灰色だったのです。男が横をむいたとき、チラッとその顔を見ましたが、この男は、顔までも灰色がかっていました。
それに、おそろしく大きなやつです。ふつうのおとなの倍もあります。せいが高いばかりでなく、横はばもひろいのです。つまり、ひどく太っているのです。
「灰色の巨人だ。こいつこそ、灰色の巨人の首領にちがいない。」
小林少年は、そう考えると、なんだか身がひきしまるように感じました。ところがそれからしばらくすると、じつに意外なことがおこったのです。
大男が、とつぜん立ちどまりました。そして、いつまでも動かないのです。いや、そればかりではありません。大男が口をきいたのです。
「おい、きみも立ちどまってしまったじゃないか。どうして、ここへこないのだ。おれは、きみを待っているんだぜ。」
むこうをむいたまま、からだにふさわしい太い声で、そんなことをいいました。
「きみ」というのは、だれのことでしょう。そのへんに人がいるはずはありません。こちらにかくれている小林少年のことです。大男は尾行されていることを、ちゃんと知っていたのです。