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はいいろのきょじん
灰色の巨人/魔法博士
江戸川 乱歩
線上閱讀江戸川 乱歩《灰色の巨人/魔法博士(はいいろのきょじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 156,085 字 · 312 頁
いちばん勇敢なのは、二十人の少年探偵団員でした。かれらは小林団長のさしずで、十人ずつ二隊にわかれ、一隊は神社のむこうの二つの出口に、さきまわりをして、ゾウの出てくるのを待ちうけ、一隊はゾウのうしろから、おおぜいの人たちの、せんとうにたって走っていくのでした。
ゾウが神社の森にはいったときも、少年たちは、その入口のすぐそばまできていました。ところが、そこで、おそろしいことがおこったのです。ゾウが、いきなりクルッと、うしろをむいたのです。そして、長いはなをふり動かし、大きな耳をぱたぱたさせ、白いキバをさかだて、まっかな口を大きくひらき、ゴーッという、すさまじいうなり声をたてて、いまにもとびかかりそうにしました。
さすがの少年たちも、そのものすごいぎょうそうを見ると、いちもくさんに、逃げだしました。それにつれて、おっかなびっくりで、少年団員のあとからついてきた人びとも、ワーッと、なだれをうって逃げるのでした。
みんなが逃げさるのを見ると、巨ゾウはまた、むきをかえて、宝冠の少女をせなかにのせたまま、神社の森の中へ、姿を消してしまいました。
あんなにおどろかされたので、もうだれも森の中へ、はいろうとするものはありません。