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はいいろのきょじん

灰色の巨人/魔法博士

江戸川 乱歩

線上閱讀江戸川 乱歩《灰色の巨人/魔法博士(はいいろのきょじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 156,085 字 · 312 頁

青空文庫

そうしておいて、ふたりは車の中にもどり、明智はハンドルをにぎり、小林君は、客席においてあった、黒い四角なふろしきづつみを、だいじそうに、ひざの上にのせました。

明智も小林少年も、まっ黒なつめえりの服をきて、黒いくつ下に、黒いくつをはいていました。顔と手のほかは、全身まっ黒なのです。

ふたりは、どうして、そんなまっ黒な服をきていたのでしょう。また、小林君がひざの上にのせている、四角な黒いふろしきづつみは、いったい、なんだったでしょうか。読者諸君は、きっと、もうおわかりでしょうね。

探偵犬シャーロックは、地面にはなをくっつけて、ぐんぐん前に進もうと、あせっています。運転席についた明智は、ゆっくりと自動車を動かせました。シャーロックは、よろこんで走りだします。地面のにおいをかいで、どこまでも、どこまでも、そのあとを追っていくのです。

そのにおいは、さっき小林少年にかがされたコールタールと、おなじにおいにちがいありません。では、どうして、そんなにおいが、地面についているのでしょうか。

それは、「人間豹」の事件で、明智探偵が発明した「黒い糸」という、自動車のあとをつけるしかけでした。