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はいいろのきょじん
灰色の巨人/魔法博士
江戸川 乱歩
線上閱讀江戸川 乱歩《灰色の巨人/魔法博士(はいいろのきょじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 156,085 字 · 312 頁
「さあ、おりるんだ。これからさきは、車がはいらないから、歩くんですよ。」
園井さんのとなりに乗っていた、賊の部下が、そういって、園井さんの手をとって、自動車からおろしました。
園井さんは、宝冠の箱のはいっているふろしきづつみをかかえて、ひかれるままに、ついていきますと、いっぱい草のはえた登り道を、歩いていることがわかりました。草ばかりでなく、いろいろな木がはえているらしく、ズボンがその枝にひっかかるのです。そして、あたりは、森にでもはいったように、ひえびえとして、植物のにおいが強くただよっていました。
東京から一時間ぐらいのところに、山はありませんが、小さな丘くらいはありますから、そういう丘を登っているのだろうと考えました。
道らしい道もない森の中らしく、草や木の枝をかきわけて進むのですから、目かくしされている園井さんは、歩くのがたいへんでした。賊の部下は、そんなことはおかまいなく、じゃけんにぐんぐん手をひっぱるので、なんどもつまずいて、ころびそうになるのでした。十分ほども、そういう山道のようなところを歩きますと、こんどは、せまいほら穴の中へ、ひっぱりこまれました。