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はいいろのきょじん

灰色の巨人/魔法博士

江戸川 乱歩

線上閱讀江戸川 乱歩《灰色の巨人/魔法博士(はいいろのきょじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 156,085 字 · 312 頁

青空文庫

「あ、わかった。コールタールの糸が切れたのですよ。あのかんは五十分ぐらいでからになってしまいます。ぼくたちは、ここまで一時間以上もかかったけれど、賊の自動車は全速力で走っていたので、ちょうどこのへんで、五十分ぐらいになったのです。だから、コールタールの黒い糸がつきてしまったのです。」

小林少年が、すばやく頭をはたらかせて、イヌの速度のにぶったわけを説明しました。

「うん、そうらしいね。しかし、もうすこしためしてみよう。黒い糸がたえてしまっても、まだタールのしずくが、ポツポツたれているかもしれない。シャーロックは、そのかすかなにおいを、かぎつけるだろう。」

明智探偵はそういって、自動車を徐行させながら、シャーロックの歩くにまかせておきました。

探偵犬は、しきりに地面をかぎながら、のろのろと、国道からわき道へまがっていきます。やっぱり明智探偵のいうとおり、そのほうに、コールタールのしずくが、たれているらしいのです。

しかし、そのしずくは、だんだん小さくなり、しずくとしずくのへだたりが長くなっていくので、シャーロックの苦心はひととおりではありません。長いあいだまよったあと、やっと、においをかぎつけて、すこしずつ進んでいくのです。