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はいいろのきょじん

灰色の巨人/魔法博士

江戸川 乱歩

線上閱讀江戸川 乱歩《灰色の巨人/魔法博士(はいいろのきょじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 156,085 字 · 312 頁

青空文庫

不二夫君は、あまりの恐ろしさに、木のみきにしがみついたまま、身うごきもできません。しかし、目だけは、怪人のうしろ姿をみつめていました。

すると、そのとき、じつにふしぎなことがおこったのです。

夕ぐれのうす暗い林の中を、向こうへ立ちさる怪人の姿が、みるみる小さくなっていくのです。おとなのからだが、中学生ぐらいになり、小学生ぐらいになり、幼稚園の生徒ぐらいになり、だんだん小さくなって、古井戸のそばへ行ったときには、二十センチぐらいのこびとになってしまいました。

古井戸のところまでは、十メートルぐらいですから、そんなに小さく見えるはずがありません。たしかに、怪人のからだが小さくなったのです。ほんとうに二十センチほどになってしまったのです。

不二夫君は、夢でも見ているのではないかと思いました。まえに「ガリバー旅行」のお話を読んだことがあります。あのお話には小人国というこびとばかりの国がでてきます。不二夫君は、じぶんがその小人国へきたような、ふしぎな気持がしました。すぐ十メートルほどむこうに、小人国の黄金怪人が歩いているのです。不二夫君のてのひらぐらいの、かわいらしい怪人です。