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はいいろのきょじん

灰色の巨人/魔法博士

江戸川 乱歩

線上閱讀江戸川 乱歩《灰色の巨人/魔法博士(はいいろのきょじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 156,085 字 · 312 頁

青空文庫

黄金怪人です。こびとになって、窓からしのびこんだ怪人は、中へはいると、子どもぐらいの大きさになって、本棚のくぼみから、とびだしてきたのです。

蔵のすみずみにかくれていた少年団員たちは、小林団長をまっ先に、それぞれ、かくれ場所から、大金庫の方へかけよろうとしましたが、そのとき、金庫のうしろから、ふたたび、姿をあらわした怪人を見ると、あっと立ちすくんでしまいました。それはもう子どもではなくて、見るも恐ろしい、あのおとなの黄金怪人だったからです。

全身、金色にかがやく怪物が、大金庫の正面に、こちらを向いて立ちはだかり、両手をふりうごかして、歯車のきしるような声で笑っているのです。まっ黒な三日月がたの口がキューッとまがって、おばけのような黄金仮面が、笑っているのです。

「きさま、金庫に手をかけたら、これをぶっぱなすぞっ!」

入口の近くにいた山下さんが、いつのまに用意したのか、ピストルをかまえて、怪人にねらいをさだめていました。

しかし、なんのききめもありません。怪人はそれを見ると、いっそう、歯車の音を高くして笑いつづけるのです。

そのとき、どうしたわけか、パッと電灯が消えて蔵の中は、まっ暗になってしまいました。