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はいいろのきょじん

灰色の巨人/魔法博士

江戸川 乱歩

線上閱讀江戸川 乱歩《灰色の巨人/魔法博士(はいいろのきょじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 156,085 字 · 312 頁

青空文庫

あとになって、じいさんは、知っていて知らぬふりをしていたことがわかりましたが、そのときは、さすがの小林君も、そこまではさっしがつきませんでした。

もう一キロ半も歩いたころです。じいさんが、一つの町かどをヒョイとまがって、見えなくなりました。そういうことは、いままでにも、たびたびあったのですが、こんどは、なんだか、ようすがへんでした。三少年は、驚いてかけだしました。そして、そのまがり角から、そっとのぞいてみますと、すぐ目の前に、赤いポストが立っていて、その向こうを、あのじいさんが歩いていくのが見えました。しかし、じいさんだけではありません。もうひとりのやつが、じいさんに手をひかれて歩いているのです。少年たちは、それを見ると、ゾーッと、せなかに水をかけられたような気がしました。

そのもうひとりのやつは、小学校一年生ぐらいの大きさの黄金怪人だったのです。

あの二十センチのこびとが、角をまがったとたんに、たちまち、からだがのびて、子どもの大きさになってしまったのです。

いよいよ、この老人はくせものです。老人に手をひかれているやつは、ほんものの黄金怪人にちがいないのです。