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はいいろのきょじん

灰色の巨人/魔法博士

江戸川 乱歩

線上閱讀江戸川 乱歩《灰色の巨人/魔法博士(はいいろのきょじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 156,085 字 · 312 頁

青空文庫

よく見ると、あとから落ちた二つには、かわいらしい五本の指が、はえているのです。手です。あの黒人の子どもの黒い手です。

それでは、さきに落ちた二つは、足かもしれません。ああ、そうです。よく見ると、黒いズックのゴムぐつをはいているではありませんか。おくびょう者のノロちゃんは、それがわかると、いきなり、小林少年のからだに、しがみつきました。そして、ガタガタふるえているのです。

ああ、あのかわいらしい子どもは、縄の上で、恐ろしい男のダンビラで、バラバラに、きられてしまったのでしょうか。いくら地底の魔法国でも、こんな人ごろしが、ゆるされていいものでしょうか。

それから、つづいて、二つのものが、てんじょうから落ちてきました。子どもの首と胴です。赤白の運動帽をかぶった、かわいらしい首が、地上に落ちて、コロコロと、ころがりました。

それを見ると、井上君が、「うーん。」とうなって、小林君の腕をつかみました。

「もうだまっていられないよ。ぼくたちで、あいつを、つかまえよう。そして、警察へつれていくんだ。ね、小林さん、いくら、魔法の国でも、こんなざんこくなことは、ゆるしておけないよ。