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はいいろのきょじん
灰色の巨人/魔法博士
江戸川 乱歩
線上閱讀江戸川 乱歩《灰色の巨人/魔法博士(はいいろのきょじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 156,085 字 · 312 頁
」
山村君が、心配そうにたずねました。すると明智探偵は、にっこり笑って、
「だいじょうぶだよ。わたしは、こんどの犯人の心もちを、ちゃんと見ぬいている。いままでは小林君にまかせて、なにもしなかったけれども、小林君から、くわしく報告をきいている。そしてわたしは、わたしで準備をしていたのだ。その準備が、もう四―五日で、できあがるのだよ。」
ああ、明智探偵の準備とは、いったい、どんなことだったのでしょう。やがて、それがわかります。わかったとき、読者諸君は、きっと、「あっ。」と驚かれるにちがいありません。
「先生、準備って、どんなことですか。」
川瀬君が、たずねました。
「それは、いまはいえない。わたしの秘密だよ。しかし、きっと三人を救いだしてみせるから、安心しているがいい。」
明智探偵は、そういって、またにっこりと笑うのでした。
お話はとんで、それから四日めの夜のことです。
一台の自動車が、世田谷区のあの赤レンガの家の、百メートルほど手前でとまりました。
その自動車の中から、まっ黒なものがあらわれました。頭からふわふわした、黒い大きなふろしきのようなものを、かぶっているのです。