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はいいろのきょじん
灰色の巨人/魔法博士
江戸川 乱歩
線上閱讀江戸川 乱歩《灰色の巨人/魔法博士(はいいろのきょじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 156,085 字 · 312 頁
しばらくそうして、じっとしていますと、男は気をうしなって、くなくなとたおれてしまいました。白い布には、麻酔剤がしみこませてあったのです。
怪人は、「ウフフフ……。」と、ぶきみに笑いながら、たおれた男の足を、ほそびきでグルグル巻きにして、そのからだを、ベッドの下へ、おしこんでしまいました。
この部下は、なにか悪いことをしたので、罰をくわえられたのでしょうか。どうも、そうではなさそうです。男は、べつに魔法博士をおこらせるようなことは、していなかったのです。それでいて、とつぜん、こんなひどいめにあわされたのです。魔法博士は、気でもくるったのでしょうか。
それから、黄金怪人は、つぎつぎと、ひとりきりの部下の部屋にはいって、同じように命令し、同じように麻酔剤をかがせ、手足をしばり、ベッドの下におしこんでまわるのでした。
これはもう、ただごとではありません。魔法博士の黄金怪人は、じぶんの部下を全部しばりあげて、身うごきできないようにしてしまうつもりらしいのです。いったい、これは、どうしたことでしょう。魔法博士は、ほんとうに、気ちがいになってしまったのでしょうか。