輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

はいいろのきょじん

灰色の巨人/魔法博士

江戸川 乱歩

線上閱讀江戸川 乱歩《灰色の巨人/魔法博士(はいいろのきょじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 156,085 字 · 312 頁

青空文庫

」

店員は大きな声でどなって、そのほうへ足ばやに近づいていきました。すると、そのものは、パッとどこかへ、見えなくなってしまうのです。まるでネズミが、チョロチョロと走るようなすばやさです。

そいつは、むろん、ネズミのような小さなものではありません。しかし、人間ほども大きくはないのです。

「あっ、そこに、なんだかいる。こらっ、おまえ、どこの子だ。」

べつの店員がそれを見つけてさけびました。ちんれつ台からちんれつ台へ、すばやく姿をかくすようすが、なんだか十歳ぐらいの小さな子どものように、感じられたのです。

「あっ、そっちへにげた。きみ、つかまえてくれ。」

声をかけられた店員は、いきなりちんれつ台のかげにしゃがんで、あいてを待ちぶせました。

すると、おおいのきれが、ヒラヒラ動いて、なにものかがこちらへ近づいてきます。子どもではないようです。といって、けものでもありません。その店員はゾーッと、せなかがつめたくなりました。そいつは、なんだかえたいのしれない、ばけもののように思われたからです。

「ケラ、ケラ、ケラ、ケラ……。」

と、白いおおいのきれのかげで、じつにきみのわるい笑い声がしました。