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はいいろのきょじん

灰色の巨人/魔法博士

江戸川 乱歩

線上閱讀江戸川 乱歩《灰色の巨人/魔法博士(はいいろのきょじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 156,085 字 · 312 頁

青空文庫

黄金怪人がふたりいるなんて、思いもよらぬことだから、きみの部下に出あっても、だれもあやしまなかった。きみが岩の廊下を歩いていると思ったのだ。

ここへしのびこんだつぎの夜なかに、ぼくは、ある部屋の窓をひらいて、ふたりの人間を、そっと、中に入れた。そのひとりが、そこにいるぼくのかえだまなのだ。その男は、きみも知っているとおり、人造人間になりすましてかくれていた。もうひとりは子どもだった。それがどんな子どもだったかは、いまにわかるときがくるだろう。

おい、魔法博士、きみは井上と野呂のふたりの少年をかどわかし、そのかえだまをつくって、グーテンベルクの聖書を盗みだした。しかし、それはきみのほんとうの目的ではなかったのだ。目的はぼくをとりこにして、きみの部下にすることだった。そこで、まず小林君をとらえ、ぼくが助けだしにくるようにしむけた。

ぼくはきみの計略にかかったと見せかけて、じつは、その裏をかいたのだ。かえだまの明智のほうを、牢屋にいれさせ、安心させておいて、そのすきに、警官隊をひき入れた。警官隊はここにいるだけじゃない。裏の洞穴の外にも、建物のまわりにも、そのほか、あらゆる出入り口に、何十人の警官が見はりをしている。