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はいいろのきょじん
灰色の巨人/魔法博士
江戸川 乱歩
線上閱讀江戸川 乱歩《灰色の巨人/魔法博士(はいいろのきょじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 156,085 字 · 312 頁
「じゃあ、こいつは、テントの前のおりをやぶって、逃げてきたのですね。」
小林君が、なにか、いみありげに、明智探偵の顔を見ました。
「そうらしいね。だが、あのおりの中にもまだクマがいるかもしれないよ。いってみてごらん。」
明智探偵がみょうなことをいいました。
「でも、このサーカスには、クマは一ぴきしかいないはずです。」
「それが、二ひきになったかもしれないのだよ。ためしに、見にいってごらん。」
明智探偵は、ときどき、こんなふしぎなことをいいます。しかし、それは、いつでも、けっしてまちがっていないのです。
小林少年は、ともかく、クマのおりをしらべるために、はしごをおりて、大テントの前へかけつけました。
見ると、そのおりのまわりには、さっき、クマの見はりをするように、さしずをしておいた五人の少年が集まっていました。そして、おりのなかには、ちゃんと、クマがいたではありませんか。
「あっ、小林さん。」
少年のひとりが、ふりむいて、声をかけました。小林君は、いそがしく、たずねます。
「きみたち、ずっと、ここにいたんだろうね。」
「うん、ここにいたよ。」
「そのクマは、一度も、おりを出なかったろうね。