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はいいろのきょじん

灰色の巨人/魔法博士

江戸川 乱歩

線上閱讀江戸川 乱歩《灰色の巨人/魔法博士(はいいろのきょじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 156,085 字 · 312 頁

青空文庫

さっきはゾウが逃げだし、やっとそれをつかまえたかとおもうと、こんどはクマです。またクマ狩りを、はじめなければなりません。

小林団長は、よびこをとり出して、ピリピリ……と、ふきならしました。すると、テントの入口から、数名の警官がかけつけてきました。

「たいへんです。クマがおりをやぶって逃げたのです。ほら、あすこへ、走っていきます。」

それをきくと、警官たちは、腰のピストルをとり出して、走りだそうとしました。

「ちょっと、待ってください。」

小林君は、警官たちをとめて、なにかヒソヒソと、ささやきました。

「ね、だから、ピストルをうっちゃいけません。手でつかまえてください。そして……、ね、わかったでしょう。」

警官たちは、へんな顔をして、

「それは、まちがいないだろうね。」

と、ねんをおしました。

「だいじょうぶです。明智先生の命令です。」

「よしっ、それじゃあ……。」

というので、警官たちは、ピストルを、サックにしまい、そのまま、おそろしいいきおいで、かけだしました。小林君をはじめ、少年たちも、そのあとにつづきます。

大グマは、もう神社のうら門から、森の中へとびこんでいました。