Japanische Klassiker mit Furigana
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パンドラのはこ
パンドラの匣
Lesen Sie パンドラの匣 (パンドラのはこ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.644 Zeichen · 386 Bildschirme
キン婆さんが、お餅と蜜柑を持って来てくれる。大いに感謝してむしゃむしゃ喰べながら、またゴルフをつづける。僕は、たった六回で穴にいれた。きょうのレコードだった。浜の子供が四人、いつのまにやら、僕たちについて歩いている。
「おらは、おぼえただ。」
「おらも、おぼえただ。あすこの穴にぶち込めばええだ。」などと、こそこそ話合っている。仲間にはいりたい様子である。
兄さんが、「やってごらんなさい。」と言ってバットを差し出したら、果して、嬉々として、「おらは、おぼえただ。」を連発しながら、やたらにバットを振りまわした。とても可愛い。この子供たちは毎日、どんな事をして遊んでいるのだろうかと思ったら、ホロリとした。ああ、誰もかれも、みんな同じように幸福になりたい。子供たちは、それこそ、「むさぼるように」遊んでいた。僕たちは疲れて、砂浜に寝ころがった。夕焼け。雲の裂け間から見える赤い光は、燃えている真紅のリボンのようだ。頭をあげて見ると、別荘をかこんでいる松の林は、その赤い光を受けて、真赤にキラキラ輝いている。海は、――銚子の半島も、むらさき色に幽かに見えて、水平線は鏡のふちのように、ほのかな緑。