Japanische Klassiker mit Furigana
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パンドラのはこ
パンドラの匣
Lesen Sie パンドラの匣 (パンドラのはこ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.644 Zeichen · 386 Bildschirme
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女の容貌に就いては、僕のほうが君より数等きびしい審美眼を具有しているつもりだがね。けれども、あの時、女の顔の事などで議論するのは、下品な事のように思われたから、僕は黙っていたのだ。どうも、竹さんの事になると、僕たちはむきになってしまって、ちょっと気まずくなる傾向があるようだ。よろしくないね。本当に、君、僕を信じてくれ給え。竹さんは美人じゃないよ。危険な事なんか無いんだ。危険だなんて、可笑しいじゃないか。竹さんは、君と同じくらい、ただ生真面目な人なんだ。
僕たちは、しばらく黙ってバルコニイに立っていたが、ふいと君が、お隣りの越後獅子は大月花宵という有名な詩人だという事を言い出したので、竹さんの事も何も吹っ飛んでしまった。
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「まさか。」僕は夢見るようであった。
「どうも、そうらしい。さっき、ちらと見て、はっと思ったんだ。僕の兄貴たちは皆あの人のファンで、それで僕も小さい時からあの人の顔は写真で見てよく知っているんだ。僕もあの人の詩のファンだった。君だって、名前くらいは知っているだろう。」
「そりゃ、知っている。」
僕は、どうも詩というものは苦手だけれども、それでも、大月花宵の姫百合の詩や、鴎の詩は、いまでも暗誦できるくらいによく知っている。