Japanische Klassiker mit Furigana
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パンドラのはこ
パンドラの匣
Lesen Sie パンドラの匣 (パンドラのはこ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.644 Zeichen · 386 Bildschirme
2
はじめは、ゆっくり。」と、こんどは露骨に叱り飛ばすようなきびしい口調で言ったが、かえってその言葉のほうに、うれしい愛情が感ぜられた。
僕は、ゆっくり歩いた。お母さんとマア坊が、小声で何か囁き合いながら、僕の後を追って来た。松林を通り抜けて、アスファルトの県道へ出たら、僕は軽い眩暈を感じて、立ちどまった。
「大きいね。道が大きい。」アスファルト道が、やわらかい秋の日ざしを受けて鈍く光っているだけなのだが、僕には、それが一瞬、茫洋混沌たる大河のように見えたのだ。
「無理かな?」お母さんは笑いながら、「どうかな? お見送りは、このつぎに、お願いするとしましょうか?」
2
「平気、平気。」ことさらに駒下駄の音をカタカタと高く響かせて歩いて、「もう馴れた。」と言った途端に、トラックが、凄じい勢いで僕を追い抜き、思わず僕は、わぁっ! と叫んだ。
「大きいね。トラックが大きいね。」とお母さんはすぐに僕の口真似をしてからかった。
「大きくはないけど、強いんだ。すごい馬力だ。たしかに十万馬力くらいだった。」
「さては、いまのは原子トラックかな?」お母さんも、けさは、はしゃいでいる。