Japanische Klassiker mit Furigana
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パンドラのはこ
パンドラの匣
Lesen Sie パンドラの匣 (パンドラのはこ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.644 Zeichen · 386 Bildschirme
2
「すっかり元気そうになったじゃないか。」と君が言って、僕に花束を手渡して、僕がまごついていたら君は、マア坊に極めて自然の態度で、
「粗末な花瓶で結構ですから、ひばりに貸してやって下さい。」と頼んで、マア坊は首肯いて花瓶を取りに行って、僕は、まあ、本当に夢のようだったよ。何がなんだか、わからなくなって、
「マア坊を前から知ってるの?」と下手な質問さえ飛び出して、
「君の手紙で知ってるじゃないか。」
「そうか。」
と二人で大笑いしたっけね。
「マア坊だって事、すぐにわかった?」
「ひとめ見てわかった。予想より、ずっと感じがいい。」
「たとえば?」
「しつこいな。まだ気があるんだね。予想してたほど、下品じゃない。ほんの子供じゃないか。」
「そうかしら。」
「でも、わるくない。骨の細い感じだね。」
「そうかしら。」
僕は、いい気持だった。
2
マア坊が細長い白い花瓶を持って来た。
「ありがとう。」と君は受取り、無雑作に花を挿して、「これは後で、竹さんにでも挿し直していただくんだな。」
と言ったが、あれは少し、まずかったぜ。君がすぐにポケットから、れいの小さい辞典を取り出してマア坊にあげても、マア坊はそんなに嬉しそうな顔もせず、黙って叮嚀にお辞儀をして、すたすた部屋を出て行ったが、あれはやっぱりマア坊が少し気を悪くした証拠だぜ。