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Japanische Klassiker mit Furigana

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パンドラのはこ

パンドラの匣

太宰 治

Lesen Sie パンドラの匣 (パンドラのはこ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.644 Zeichen · 386 Bildschirme

Aozora Bunko

3

女には、未だ、古くさい情緒みたいなものが残っている。淋しくて戸まどいして、そうして、ごはん一杯ぶんの慈善なんて、へんな情緒を発揮したのではあるまいか。とにかく、あの日の、みんなの変調子は、鳴沢イト子の死と強くむすびついているようだ。マア坊も、竹さんも、別段、僕に思召しがあるわけじゃないんだ。冗談じゃない。

どうだ、君、わかったかい。これでも、君は、竹さんを好きかい。まあいちど道場へ御出張になって、実物を拝見なさる事だ。竹さんよりは、マア坊のほうが、まだしも感覚の新しいところがあって、いいように僕には思われるのだが、君は、ひどくマア坊をきらいらしいね。考え直したらどうかね。マア坊には、やっぱり、ちょっといいところがあるんだぜ。おとといであったか、マア坊が、とても気だてのよいところを見せてくれて、僕は、にわかにまたマア坊を見直したというわけだが、きょうは一つその事の次第を御紹介しましょう。君も、きっと、マア坊を好きになるだろうと思う。

3

おととい、同室の西脇つくし殿が、いよいよ一家内の都合でこの道場を出る事になって、ちょうどその日がマア坊の公休日とかに当っているのだそうで、それで、つくしをE市まで送って行く約束をしたとか、その前の日あたりからマア坊は塾生たちに大いにからかわれて、お土産をたのむ、とほうぼうから