Japanische Klassiker mit Furigana
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パンドラのはこ
パンドラの匣
Lesen Sie パンドラの匣 (パンドラのはこ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.644 Zeichen · 386 Bildschirme
花宵先生
1
君も、もう竹さんに対しては、色気なんてそんなものは持っていない筈である。親愛の気持だけだろうと思う。ここに、僕たち新しい男の勝利がある。男女の間の、信頼と親愛だけの交友は、僕たちにでなければわからない。所謂あたらしい男だけが味い得るところの天与の美果である。この清潔の醍醐味が欲しかったら、若き詩人よ、すべからく当道場を御訪問あれ。
もっとも君は、既に、君の周囲に於いて、さらにすぐれた清潔の美果を味っているかも知れないが。
十月二十日
花宵先生
1
昨日の御訪問、なんとも嬉しく存じました。その折には、また僕には花束。竹さんとマア坊には赤い小さな英語の辞典一冊ずつのお土産。いかにも詩人らしい、親切な思いつきで、殊にも、竹さんとマア坊にお土産を持って来てくれたのは有難かった。
あの人たちから僕は、シガレットケースと、それから竹細工の藤娘をもらって、少し閉口だったけれども、でも、そのうちに何かお返しをしなければならぬのではあるまいかと、内心、ちょっと気になっていたところへ、君が気をきかせてお土産を持って来てくれたので、ほっとしました。君には、僕よりもっと新しい一面があるようだ。