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Japanische Klassiker mit Furigana

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パンドラのはこ

パンドラの匣

太宰 治

Lesen Sie パンドラの匣 (パンドラのはこ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.644 Zeichen · 386 Bildschirme

Aozora Bunko

4

」

おどろいた。あれは、マア坊の句なのだ。

4

そういえば、あの句にはちょっと女の感覚らしいものがあった。とすると、あの、乱れ咲く乙女心の野菊かな、とかいう変な句も、くさい。やっぱりあれも、マア坊か誰か助手さんの作った句なのではあるまいか。何だか、あの十の俳句がことごとくあやしくなって来た。実に、ひどいひとだ。本当に、あきれるばかりだ。あの露の世の句にしても、また、このコスモスの句にしても、これは「桜の間」の名誉にかかわる、などと大袈裟な事は言わずとも、かっぽれさんの人格問題として、これは、いったい、どんな事になるのだろうと、はらはらしたが、でも、それからまた、かっぽれとマア坊との間に交された会話を聞いて安心し、たいへんいい気持になったのだ。

「コスモスの句って、どんなの? わすれてしまったわ。」マア坊は、のんびりしている。

「そうかい。それじゃ、おれの句だったかな?」あっさりしている。

「カクランの句じゃない? あなたはいつか、カクランと俳句の交換だか何だか、こっそりやってたわね。わあい、だ。」

「してみると、カクランの句かな?」落ちついたものである。淡泊と言おうか、軽快と言おうか、形容の言葉に窮するくらいだ。