Japanische Klassiker mit Furigana
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パンドラのはこ
パンドラの匣
Lesen Sie パンドラの匣 (パンドラのはこ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.644 Zeichen · 386 Bildschirme
妹
1
一茶が作っても、かっぽれが作っても、マア坊が作っても、その句が面白くなけりゃ、無関心なのだ。社交上のエチケットだとか、または、趣味の向上だなんて事のために無理に芸術の「勉強」をしやしないのだ。自分の心にふれた作品だけを自分流儀で覚えて置くのだ。それだけなんだ。僕は芸術と民衆との関係に就いて、ただいま事新しく教えられたような気がした。
きょうの手紙は、妙に理窟っぽくなったけれども、でも、まあ、こんなかっぽれの小さい挿話でも、君の詩の修行に於いて何か「新しい発明」にでも役立ってくれたら、と思って、この手紙を破らずにこのまま差し上げる事にしました。
僕は、流れる水だ。ことごとくの岸を撫でて流れる。
僕はみんなを愛している。きざかね。
九月二十六日
妹
1
僕がいつも君に、こんな下手な、つまらぬ手紙を書いて、時々ふっと気まりの悪いような思いに襲われ、もうこんな、ばかばかしい手紙なんか書くまいと決意する事も再三あったが、しかし、きょう或るひとの実に偉大な書翰に接し、上には上があるものだと、つくづく感歎して、世の中には、こんなばかげた手紙を書くおかたもあるのだから、僕の君に送る手紙などは、まだしも罪が軽いほうだ、と少しく安堵した次第である。