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Japanische Klassiker mit Furigana

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パンドラのはこ

パンドラの匣

太宰 治

Lesen Sie パンドラの匣 (パンドラのはこ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.644 Zeichen · 386 Bildschirme

Aozora Bunko

2

ちっとも諷刺がきいていない。僕ならば、天女とつける。そうよ、あたしは天女よ、とはまさか思えまい。その他、となかい、こおろぎ、たんてい、たまねぎなど、いろいろあるが、みんな陳腐だ。ただひとり、カクランというのがあって、これはちょっと、うまくつけたものだと思う。顔のはばが広くほっぺたが真っ赤に光っている助手さんがあって、いかにも赤鬼のお面を聯想させるのだが、さすがに、そこは遠慮して避けて、鬼の霍乱というわけで、カクランだ。着想が上品である。

「カクラン。」

「なんだい。」すまして答える。

「がんばれよ。」

「ようし来た。」と元気なものだ。霍乱に頑張られては、かなわない。このひとに限らず、ここの助手さんたちは、少し荒っぽいところがあるけれども、本当は気持のやさしい、いいひとばかりのようだ。

2

塾生たちに一ばん人気のあるのは、竹中静子の、竹さんだ。ちっとも美人ではない。丈が五尺二寸くらいで、胸部のゆたかな、そうして色の浅黒い堂々たる女だ。二十五だとか、六だとか、とにかく相当としとっているらしい。けれども、このひとの笑い顔には特徴がある。これが人気の第一の原因かも知れない。